そこに山があるからではない! 読書感想「神々の山嶺」
あなたの好きな小説を読ませてくださいシリーズの第7弾ぐらい。
今回は学生時代の友人の推薦本。司馬遼太郎好きの彼だからこれも面白いんだろうなと思ったのだがそれ以上に面白かった。
山に登る理由が「そこに山があるから」で許されるのは小学生まで。その答えを孤独な登攀者、羽生丈二にぜひ学んで欲しい。
あらすじ
エベレスト登頂に失敗し、友人も失った失意の中、主人公が偶然ネパールの中古品店でみつけた旧式のコダック製カメラをめぐるお話
感想
この本は2つの点でお得でした。ひとつは山岳小説として8000m級の山を登るということがどういうことか疑似体験させてくれたということ、もうひとつは羽生丈二という生き方を突き付けてられ、考えさせられたという点です。
まず、山岳小説としての話ですが、これは凄い。吐息が凍る程寒く、一歩進ごとに喘がなくてはならないほど酸素の薄い状態の山で、凍った岸壁を登っていくとか恐い!恐すぎる(しかも雪崩、落石がきたら終了)。読んでいて足の指先がしもやけの時のようにむずむずします。
ニュースでは「高齢者がエベレスト登頂!」とかって明るい報道ばっかりなので、21世紀の装備なら体力自慢の人なら行けるとかって思ってた自分の貧弱な想像力を呪いました。「気力」と「運」。意外にもこの二つの形の無いものこそエベレスト登頂の鍵のようです。
そして、羽生丈二という生き方。彼の少ないセリフは一つ一つが今の僕のような中途半端な生き方を深く傷つけてくれます。すべての餓えた狼の気持ちを忘れた男子に贈りたい。(草食男子?反吐がでるね)
まとめ
面白い!今まで他の小説に贈ってしまった「面白い」という言葉を半分ぐらい取り返したい(特にハリーポッターあたりから)ってぐらいよかった。
面白くないという人がいるのなら逆に興味があるってぐらいなので誉めるのはここまでにしておきます。
登山と読書の違いはいきなり最高峰に挑戦できるかどうかってところ。まあ黙って読んでみようじゃありませんか。そこに物語があるんですから
★★★★★(満点)















