死人がでてます 読書感想「フェルマーの最終定理」

7月 31st, 2008 admin

フェルマーの最終定理 (新潮文庫)
サイモン シン
新潮社
売り上げランキング: 533
おすすめ度の平均: 5.0

5 「フェルマーの最終定理」を主題にした一大数学叙事詩
5 数学はかくもドラマチックで美しい
4 数学の完全性、美しさに触れた気が
5 プロジェクトX 「その仮説を証明せよ」
4 快挙を成し遂げたときの感動を味わえる本

三世紀にもわたるフェルマーの最終定理をめぐる壮大なお話(ノンフィクション)。
僕とは比較の方法がないほど賢い人たちが何百人、何千人と挑んでも解決されなかったというのがすごい。
一般的には、この問題を残した当のフェルマーはおそらく証明を知らなかった(もしくは間違えていた)と思われているのだが、それにしてもこれほどの数の天才を魅了した問題ができてしまったのは奇跡だなと思う。

感想

なにが凄いって、問題が3世紀も前から取り組まれているので、当たり前だが数学者も昔の人なのが凄い。
この本にでてくるだけでも、定理の証明に重要な手がかりを残した人が恋人のために決闘で死んだり、政治活動のために射殺されたりする。今日の数学者のイメージといえば研究室に篭りっきりで・・・という感じだが、昔は数学といっても特別ではなく、ずいぶん身近なものだったのだなと感じさせられる。

また日本人の僕としては定理の証明に何人もの日本人が関わってくるのが読んでいてとても誇らしい。変な話ですが母国の人が関わってくることで急に「これはやはり世界的な問題だったんだ」と実感できた気がする。

まとめ

ノンフィクションだがフィクションのようなお話。フェルマーの最終定理に関することだけでなく「数学」の成り立ちから学べる良書だと思いました。(最後に蛇足があったけど)数学の知識はなくても読めるのでどなたにもお勧めです。
その他に私はこのエントリーの真に驚くべき締めの文章を持っているが余白が狭すぎるので・・・
★★★★☆

君の靴のサイズは? 読書感想「博士の愛した数式」

7月 29th, 2008 admin

博士の愛した数式
博士の愛した数式
posted with amazlet at 08.07.29
小川 洋子
新潮社
売り上げランキング: 42297
おすすめ度の平均: 4.5

5 あたたかい気持ちになれる本です。
5 大好きな小説!
5 数学者を増やすよい本
3 あっけにとられるようなどんでん返しがあるわけではないけど
5 数学が苦手でも問題ない

これもフジロックという音楽の野外フェスティバルの最中に読んだ本。
「博士の異常な愛情」と頭の中でごっちゃになっていたので、読むことで脳内を整頓しようという理由だけで購入しました。

コンサート会場で読んだため、後ろでガンガン音楽が流れているにも関わらず、終盤は胸が一杯で嗚咽を堪えながら読みました。
ジェットコースターのような急展開やどんでん返しはありませんが、ブランコのように徐々に徐々にゆっくりゆっくり、そしてだんだん大きく心を揺さぶられ話が終わり、読み終わったあともまだ惰性でゆっくりゆっくり揺れ続けている。そんな優しく暖かいお話でした。

感想

事故で80分しか記憶がもてなくなった数学者「博士」と、その家政婦と家政婦の息子の愛情と友情の物語。

たくさん感想を書いてお勧めしたいのだけど、もう思い出すだけで胸が一杯になってしまうのでもう感想は書けない。
超感動した。という感想以外に思うのは、数学の面白さ、特に数字の面白さをこんなにうまく小説に取り込んだのがさすがプロだ!ということ。この数学の要素が主に博士の家だけで展開される狭いお話を、無限のスケールに広げてくれている気がする。

まとめ

・博士のためなら中日ファンから阪神ファンに転向してもいいと思った
・数学に興味を持たせたいだけなら「数学ガール」より入門書として敷居が低い
・この小説がこれほど面白く感じたのは僕の数学者に対する尊敬と憧れバイアスがあるので、そうでない人の意見も聞きたい
・読め

僕は純文学経験が浅いとはいえ、これは本当に面白い。是非多くの人に読んでもらいたいです。
★★★★★(満点)

読書感想「ワイルド・サイドを歩け」

7月 29th, 2008 admin

ワイルド・サイドを歩け (宝島社文庫)
東山 彰良
宝島社
売り上げランキング: 256117

フジロックという音楽の野外フェスティバル中に、時間が余り暇だったので友達が持ってきていたこの本を読みました。
自分で選んでもいなければ、お勧めもされていなければ、大して読みたくもないのに読むというのはなかなか珍しい体験です。

感想

百歩蛇というドラッグを巡って主人公の友達グループ、ヤクザ、ギャングが争うというお話。台湾人が何人かでてくるので名前が覚えにくいなーというのが序盤の印象。最後のドラッグの話に象徴されるように全体的にワイルドかつ暴力的なんだけど、どこかに必ず滑稽なところを混ぜてくるスタイルが面白いなと思いました。

また、魅力的な登場人物らもこの小説を盛り上げます。マザコンのヤクザや、ゲイの主人公、頭の切れるギャングなど、キャラがよく書き込まれており、嫌な登場人物にも感情移入できてしまいます。個人的にはコーヒーに異常なまでにこだわるヤクザと平気で人を殴るのに母親には頭が上がらないヤクザのコンビがジョジョ的で好きでした。欲を言えば後半の敵「ユーリ」についてもうちょっとストーリーを用意してくれてもよかったんじゃないかなと思います。

まとめ

★★★☆☆

原作へタイムリープ - 読書感想「時をかける少女」

7月 28th, 2008 admin

時をかける少女 〈新装版〉 (角川文庫)
筒井 康隆
角川書店
売り上げランキング: 1619

テレビで時をかける少女がやっているのを見て、いくつか気になるところがあったのでインターネットで調べたところ筒井康隆さんの原作のスピンオフ作品だと知ったので僕も昭和51年の原作にタイムリープしてみた。
これはアニメ作品の「魔女おばさん」が主人公の話だ。

感想

まず僕はこの話が短編だとは知らなかったので、文庫本の1/3ページぐらいで突然終ってしまった物語にショックを受けた。次回から気をつけたい。

やはり子供向け作品ということもあって話は単純だし登場人物もやけに物分りがいい(特に先生)。しかし、タイムリープにテレポーテーション、睡眠学習、理科室の女の子、男女の友情、未来人など小中学生でなくてもワクワクするような設定や仕掛けが山盛りでとても楽しめた。また、僕の場合はアニメ映画のほうも見ているので不可解だった部分や、小説とリンクさせている演出などに気が付けて1.5倍ぐらい楽しめました。アニメを見た人はせっかくなので小説も読むことをお勧めします。

まとめ

筒井康隆の作品は小学生ごろに親の本棚から勝手に七瀬シリーズを読んだのだけど当時の僕には刺激が強すぎて「筒井康隆=官能小説」みたいなイメージがビッシリついてしまっていた。これを機会に過去のトラウマを乗り越え、筒井康隆に再入門したいと思います。

256箇所の半田付け 第9回CPUの創りかた読書会

7月 22nd, 2008 admin

CSNAGOYA勉強会の第9回「CPUの創りかた」読書会を名古屋市丸の内で行いました。

徹夜の作業

dsc00252.jpg
今回もTD4のメモリ部分の制作です。単純な部分なので一度方針を決めたら、ひたすら半田付けです。
拷問ともいえる128本のリード線の準備と、その両端の256箇所の半田付け作業・・・
時間が来ても、その圧倒的な量のためメモリは完成せずに非常にがっかり。

しかし懇親会後に一人が終電を逃してしまったことがわかり急遽作業を徹夜で行うことに。
お酒を飲みながら作業をしていたこともあって、終るころにはすっかり朝になってしまいました。

まとめ

・やはり半田ゴテは、少し高い奴を買うのが正解
・もっと細い線を使えばよかった
・ダイオードアレイは必須(ないと半田付けがさらに倍ぐらいに増えます)

次回からはいよいよCPUのコア部分の作業です。