感想保留 読書感想「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」

9月 3rd, 2010 admin

ハイペリオン〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) ハイペリオン〈下〉 (ハヤカワ文庫SF) ハイペリオンの没落〈上〉 (ハヤカワ文庫SF) ハイペリオンの没落〈下〉 (ハヤカワ文庫SF)

SFの先輩から借りた本。ビクラ族がでてくるまで(50Pぐらい?)が退屈でなかなか読み進められなかった。いやー壮大。

主人公が超頑張って敵を倒した。という感じじゃないのがいいなと思いました。
それぞれが、それぞれの目的で動いていたらどんどん全体が(人類にとって)好転していくという。
印象的だったのは読書中に何度も赤子を抱いている錯覚を覚えさせられたソルとレイチェルの親子愛ですかね。

ただ、小飼弾さんの書評でもべた褒めだったり、SF系のサイトのレビューなどでは「史上最高傑作」とまでいわれていたりするのですが、僕にはその魅力を理解できませんでした。んーなんか不安
やはりピグラ族がでてきたり、シュライクがでてきたり雲門がでてきたりすると面白いのですが、それ以外は基本的に退屈です。特に僕にはジョンキーツの話が知識がない部分もあって楽しめませんでした。
コアなSFファン向け、もしくはSF入門者向けといった感じなのでしょうか。

とにかく後半のエンディミオンが楽しみ

★★★☆☆

枠の中の幸せ 読書感想「完全教祖マニュアル」

7月 15th, 2010 admin

完全教祖マニュアル (ちくま新書)
架神 恭介 辰巳 一世
筑摩書房
売り上げランキング: 11264

宗教とはビジネスであり、その目的は人々をハッピーにすることであるという視点から書かれた宗教解説本。
単に宗教をビジネスと割り切ったことで、宗教の運営が通常の組織運営とあまり変わらないものと感じられるようになっており、教祖になりたいと思っておらずとも日常生活にも十分に活用できる内容になっている。また、自分で積極的に活用せずとも、本書で紹介されるテクニックを使って、私たちを取り込もうとする宗教や一般企業、各種組織はいくらでもあるため、それらからの防衛手段としても多くの人に読んでもらいたいと思う内容でした。

以下、特に僕が面白いと思った部分を紹介します。

教義を簡略化しよう

浄土教は「南無阿弥陀仏と唱えれば極楽に行って成仏できる」というシンプルな教えが基本となっているそうです。普通に考えると「そんなアホな」という感じがしますが、たしかにこれぐらいシンプルでないと大衆にはわかってもらいにくいし、「そんな馬鹿な」と思うようなことでも大衆は信じてしまうのですね。(食べるだけでやせる!とか、身に着けるだけで幸運が!とか)

不安を煽ろう

例えばキリスト教などは「信じていないと地獄におちる」といって布教をしています。これは凄いテクニックで、もしこれが本当ならいま健康や家計などで困っていない人ですら不安になります。日常生活で言うとファブリーズや洗剤のCMなんかでこれが使われてるなと感じます。「あなたのその絨毯!見えないばい菌でいっぱいですよ」ってね。そんなに有害じゃねーだろ

反社会的な教えを作ろう

新興宗教とはつねに反社会的であるという話です。あのキリスト教ですら当時は超反社会的な宗教でした。まあ世の中そういうもんですよね、ロックとかパンクとか、基本的に反社会的なものに人はあこがれるもんです

義務を与えよう

お祈りをしようとか、食べていいものを制限しようとかですね。一見面倒だし、宗教のマイナス部分にも見えますが実はそうではなく、逆に信者としてはそういうものがあるからこそ幸せを感じられるし、より信者同士の絆を深められるということです。確かになんでも苦労があるから面白いのだし、楽しそうに自分の会社のヘンな規則を自慢する人たちっていっぱいいますよね。割と当たり前のことなんですがいざ自分が教祖になったらできるだけ自由な組織にしたくなりそうなので、これは特に覚えておきたいです。
(ゆとり教育の失敗とかもこういうのがなかったのが原因なんじゃないのと思う)

人々の家を回ろう

100人の家を回って全員に断られるとしても勧誘のために家をまわろうという話です。それでは意味がないように思えますが、いつか訪問した人が困ったときに思い出してもらえる。そういう意味があるんだそうです。これには僕は全然気がついていなくて驚きました。

まとめ

あー面白かった。ふざけた文体を使って著者のまじめな宗教観が伝えられている作品でした。それだけに最後の「感謝の手紙」は蛇足だったかな。本エントリーの最初にも書きましたが、こういう攻め方で僕らの心のすきまを狙う人たちもいるという意味でできるだけ多くの人に読んでもらいたいと思いました。

★★★★★(満点)

死ぬときに思い出すこと 読書感想「サヨナライツカ」

3月 21st, 2010 admin

サヨナライツカ (幻冬舎文庫)
辻 仁成
幻冬舎
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今年だか去年だかに中山美穂主演で映画化されている作人。ある人が読んでいたものをそのまま借りました。普段あまり読まない恋愛小説なので、なかなか手を付けられずにいたのですが、友人の結婚式に行くのに電車で片道1時間ということで手に取りました。

あらすじ

主人公の東垣内豊(ひがしがいとうゆたか)は28歳ぐらいのイケメン+スポーツもOKなイケイケサラリーマン。半年後には良家の良妻賢母間違いなしというお嫁さんももらうことになっている。しかし、その婚約発表会にて主人公は謎の多い魅力的な女性、沓子(とうこ)と出会い恋に落ちる。

感想

(以下ねたばれありです)
後半まで一気にスラスラスラーと読めたなというのが印象的。言葉の選び方や文章の組み立て方がうまいのでしょう。省略しすぎずくどすぎずで、文章が頭にひっかかることなくどんどん読めるのは気持ちがいいです。
ストーリーとしては、前半の主人公が理性と欲望を天秤に掛けて、どんどん堕落しタイの日本人社会で悩み追い詰められてい過程は面白いのだけど、後半の沓子との再開後の話はどうでもいいかなというのが正直な感想。
しかし、再開したといってもその間に経過してしまった25年だとか30年という絶対に取り戻すことのできない絶望的な時間を考えると、どうにもこうにもグッとこずにはいられません。
あの辺の感じについてははやりそれなりの年代になるとより一層面白いんだろうなと思います。

★★★☆☆

逆に上級者向やねん 読書感想「夢をかなえるゾウ」

3月 11th, 2010 admin

夢をかなえるゾウ
夢をかなえるゾウ
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水野 敬也
飛鳥新社
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発売された頃にユーコーという知合いがブログに書いていて気になっていたし、流行してたのも知っていたけどなぜか読みそびれていた。一生読まないかと思っていたら、最近知合いのブログで紹介されていてamazonを見たら一円で中古が買えたので購入。
一円で流通してしまっている自己啓発本ってどうなのって心配になったけど、まあ気にしない。
成功本と言われるジャンルのなかでは偏りもなく、邪悪な部分もない感じでさわやかです。いまから教えるテクニックでうまくみんなを出し抜こうぜ!というよりは良い人生というものに近道はないよということを教えられる急がば回れ的な良本でした。

あらすじ

平凡な会社員の主人公の前にある日突然ガネーシャが現れ、人生で成功したいという主人公をガネーシャがとんちんかんな課題をクリアさせることで成長させるというお話。

感想

この話は主に2つの要素、つまりガネーシャから主人公への課題と、過去の成功者の逸話の紹介で構成されています。この本が150万部以上も売れたのは前者が自己啓発本マニアに、そして後者が自己啓発入門者にうけたからでしょう。とてもよくできている本だと思います。

人生において何が大事かということは僕にはわかりませんが、もしも後悔しない人生を送りたいならP258から始まる”最後の課題”は、心の弱い人は読まないほうがよいでしょう。僕はあっさり読んでしまいもう後悔しています。

★★★★☆

著者買い 読書感想「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

3月 4th, 2010 admin

めずらしく自分で選んで買った本。しかも発売日も3ヶ月前ぐらいのわりと新しい本です。著者はハックルベリーに会いに行くというブログを書いている人で、一部のネットでは”ガツンの人”ということで知られている岩崎夏海さんである。ブログを読んでいる限り全然自分とは合わない感じなのですが、面白そうな人であることは確かなのでいったいどんな本を書かれたのかと気になって買いました。

あらすじ

部活動におけるrマネージャーの仕事を勉強しようとして間違えてピーター・ドラッカーの「マネジメント」を買ってしまった野球部のマネージャーが、本の内容を実践することで部員や友人と共にマネジメントについて学び、学校や地域全体をも巻き込みながら弱小野球部を甲子園と導く奇跡の青春ストーリー

感想

ドラッカーの「マネジメント」に興味をもつためには入門書としてとても良い本だと思いました。実際僕も読んだことがないので、とても読みたくなりました。
途中途中で「マネジメント」の引用が登場するのですが、どれもとても説得力がある言葉ばかりで、これは神様が書いた本なのでは無いかと思わされる程です。僕が特に印象に残ったのは以下の部分
P.175

あらゆる組織が、事なかれ主義の誘惑にさらされる。だが組織の健全さとは、高度の基準の要求である。自己目標管理が必要とされるのも、高度の基準が必要だからである。
成果とは何かを理解しなければならない。成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである。すなわち、まちがいや失敗をしない者を信用してはならないということである。それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である。成果とは打率である。弱味が無いことを評価してはならない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は、優れている
ほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新しいことを試みる。(一四五〜一四六)

”成果とは打率である”ってのが気に入りました。他にもマネジメントでの名言がまとめて紹介されているサイトがあるので興味がある人はみてみると面白いと思います。(たとえばここ

ストーリーは普通だった

設定は面白いのですが、内容的にはライトノベルの分類でとても読みやすくなっている半面、物足りなさもありました。特に後半になると著者も疲れてきたのかライト化が激しくなり、単調でリズムが悪く、読むのが苦痛になっていきます。

でもよかった

いまになってストーリーが下らなかったことに腹がたってきましたが、それでもこの本の使命はピータードラッカー「マネジメント」に興味をもたせるということなので、これぐらい読みやすい内容の方がいいのでしょう。実際、僕も読みたくなったしこの本が読みにくい本であれば入門書の意味がありません。(追記:やはりラノベを意識してかいたとこのことでした 詳しくはこちら

まとめ

・都合のよすぎるストーリーに腹が立つ(とくに夕紀の設定)
・マネジメント入門という意味ではすばらしい(哲学入門におけるソフィーの世界みたいな感じ?)
・ノーバント・ノーボール作戦って実際通用するの?
・表紙が恥ずかしくて買いにくい

★★☆☆☆