逆に上級者向やねん 読書感想「夢をかなえるゾウ」

3月 11th, 2010 admin

夢をかなえるゾウ
夢をかなえるゾウ
posted with amazlet at 10.03.11
水野 敬也
飛鳥新社
売り上げランキング: 289

発売された頃にユーコーという知合いがブログに書いていて気になっていたし、流行してたのも知っていたけどなぜか読みそびれていた。一生読まないかと思っていたら、最近知合いのブログで紹介されていてamazonを見たら一円で中古が買えたので購入。
一円で流通してしまっている自己啓発本ってどうなのって心配になったけど、まあ気にしない。
成功本と言われるジャンルのなかでは偏りもなく、邪悪な部分もない感じでさわやかです。いまから教えるテクニックでうまくみんなを出し抜こうぜ!というよりは良い人生というものに近道はないよということを教えられる急がば回れ的な良本でした。

あらすじ

平凡な会社員の主人公の前にある日突然ガネーシャが現れ、人生で成功したいという主人公をガネーシャがとんちんかんな課題をクリアさせることで成長させるというお話。

感想

この話は主に2つの要素、つまりガネーシャから主人公への課題と、過去の成功者の逸話の紹介で構成されています。この本が150万部以上も売れたのは前者が自己啓発本マニアに、そして後者が自己啓発入門者にうけたからでしょう。とてもよくできている本だと思います。

人生において何が大事かということは僕にはわかりませんが、もしも後悔しない人生を送りたいならP258から始まる”最後の課題”は、心の弱い人は読まないほうがよいでしょう。僕はあっさり読んでしまいもう後悔しています。

★★★★☆

著者買い 読書感想「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」

3月 4th, 2010 admin

めずらしく自分で選んで買った本。しかも発売日も3ヶ月前ぐらいのわりと新しい本です。著者はハックルベリーに会いに行くというブログを書いている人で、一部のネットでは”ガツンの人”ということで知られている岩崎夏海さんである。ブログを読んでいる限り全然自分とは合わない感じなのですが、面白そうな人であることは確かなのでいったいどんな本を書かれたのかと気になって買いました。

あらすじ

部活動におけるrマネージャーの仕事を勉強しようとして間違えてピーター・ドラッカーの「マネジメント」を買ってしまった野球部のマネージャーが、本の内容を実践することで部員や友人と共にマネジメントについて学び、学校や地域全体をも巻き込みながら弱小野球部を甲子園と導く奇跡の青春ストーリー

感想

ドラッカーの「マネジメント」に興味をもつためには入門書としてとても良い本だと思いました。実際僕も読んだことがないので、とても読みたくなりました。
途中途中で「マネジメント」の引用が登場するのですが、どれもとても説得力がある言葉ばかりで、これは神様が書いた本なのでは無いかと思わされる程です。僕が特に印象に残ったのは以下の部分
P.175

あらゆる組織が、事なかれ主義の誘惑にさらされる。だが組織の健全さとは、高度の基準の要求である。自己目標管理が必要とされるのも、高度の基準が必要だからである。
成果とは何かを理解しなければならない。成果とは百発百中のことではない。百発百中は曲芸である。成果とは長期のものである。すなわち、まちがいや失敗をしない者を信用してはならないということである。それは、見せかけか、無難なこと、下らないことにしか手をつけない者である。成果とは打率である。弱味が無いことを評価してはならない。そのようなことでは、意欲を失わせ、士気を損なう。人は、優れている
ほど多くのまちがいをおかす。優れているほど新しいことを試みる。(一四五〜一四六)

”成果とは打率である”ってのが気に入りました。他にもマネジメントでの名言がまとめて紹介されているサイトがあるので興味がある人はみてみると面白いと思います。(たとえばここ

ストーリーは普通だった

設定は面白いのですが、内容的にはライトノベルの分類でとても読みやすくなっている半面、物足りなさもありました。特に後半になると著者も疲れてきたのかライト化が激しくなり、単調でリズムが悪く、読むのが苦痛になっていきます。

でもよかった

いまになってストーリーが下らなかったことに腹がたってきましたが、それでもこの本の使命はピータードラッカー「マネジメント」に興味をもたせるということなので、これぐらい読みやすい内容の方がいいのでしょう。実際、僕も読みたくなったしこの本が読みにくい本であれば入門書の意味がありません。(追記:やはりラノベを意識してかいたとこのことでした 詳しくはこちら

まとめ

・都合のよすぎるストーリーに腹が立つ(とくに夕紀の設定)
・マネジメント入門という意味ではすばらしい(哲学入門におけるソフィーの世界みたいな感じ?)
・ノーバント・ノーボール作戦って実際通用するの?
・表紙が恥ずかしくて買いにくい

★★☆☆☆

通販は命がけ 読書感想「仕組で売る技術」

1月 15th, 2010 admin

仕組みで「売る」技術
仕組みで「売る」技術
posted with amazlet at 10.01.14
白川博司
ビジネス社
売り上げランキング: 1416

どういう経緯で買ったのか忘れました。著者がどういう人なのか詳しくは知らないのですが、やはり実績などを背景に語られると当り前のことでもとても説得力があるなと感じました。まじめな内容なだけに通販をこれから始めたい人、伸び悩んでいる人にはお薦めな一冊です。

おおまかな内容

200社以上の通販業務の立ち上げに関わってきた通販のプロである白川博司氏が自身の経験と実績をもとに、通販部門0からわずか資金500万円で1年後に1億円売り上げるシステムを作る秘策を伝授する。

感想

 この本では特に目新しいアイデアや、他社を出し抜くような秘策も紹介はされていない。売れる理由のある商品を、売れる販路にのせて、まじめにリピーターを確保せよと言っているだけである。
 たとえば「フォローの葉書をおくろう」「アンケートのフィードバックを行おう」「すべてを数値化して管理しよう」など通販関連のノウハウ本を読んだことのある人なら知っていることも多い。しかしこういった食傷気味なノウハウも、この本では「この手法をつかうことで○○が○%UPした」などと氏の実績に基づいてデータが提供されるため、非常に説得力があるアドバイスとして読者に伝わってくる。
 しかも当然王道を紹介するだけでなく、それをきちんと仕組みとしてマニュアル化して紹介しているのが素晴らしい。この手法を実現するには・・・と今から誰でも実践できる形に噛み砕いてあるのだ。

 僕もインターネットを介した通販に関わっているので、とても耳がいたいことばかりでした。まずはやはり王道を極めなくてはと、急がば回れと自分を納得させてくれる本でした。オススメ

★★★★☆

高級小説 読書感想「グレート・ギャツビー」(村上訳)

1月 5th, 2010 admin

グレート・ギャツビー (村上春樹翻訳ライブラリー)
スコット フィッツジェラルド 村上春樹
中央公論新社
売り上げランキング: 1026
おすすめ度の平均: 4.5

5 村上春樹ファンなら必読の一冊
5 Old Sport、という奇異な響きが頭から離れない。
5 読むほどに、人生を深く愛おしく感じる小説
2 野崎 孝 訳を推薦します。
5 よかった

 知合いに勧められたマンガを探しにヴィレッジ・ヴァンガードに寄ったときに本棚で見付けた。ノルウェイの森やキャッチャー・イン・ザ・ライに登場していたり、村上春樹が相当この作品を好きだってことで気になっていたので即購入。
 僕はここ数年村上作品が大好きなので、村上関連作品に関してはほとんど盲目的になっている自信があり、主観的過ぎる以上に偏った評価しかできないのですが、それでも最初から最後までとても面白かったし、たとえ面白くなかったとしても質の高さは抜群で本当に素晴らしい作品だったなと思いました。

あらすじ

主人公のキャラウェイの隣人ジェイ・ギャツビーは毎日盛大なパーティーを開き、たくさんの人を招待している謎の人物。主人公もあるときそのパーティーに招待され、ギャツビーと親しくなる。親しくなるキャラウェイとギャツビー、そして毎日開催するパーティーの目的がキャラウェイに明かされる

感想

 ちょっと僕が読むには素晴らしすぎる作品だったというのが読了後最初にでた感想だったと思う。
 大きくわけるとストーリーと文章の技術が素晴らしいと思ったのだけど、ストーリーの方はなぜ素晴らしいのか説明できない。特に共感できる登場人物がいるわけでなければ、ハッピーエンドというわけでもないのに清清しい感じで終わっていた。文章の方は少し読めば技術の高さについてはすぐにわかる。情景の描写がとても緻密で、言葉も選んである。流れるような文章が続くうえに、情景と登場人物の感情が入り混ざるような表現がなんどもあり、おいしいウイスキーを飲んでいるような甘くて重厚な香りがしてくる。後書きにもあったが、なぜこんなにも美しく芳醇な文章を28歳の作者が綴れたのかと思う。
 それでもやっぱり上手にこの小説のよさを言葉にできない。それは単に僕がハルキニストだからこの手の文章に酔うのが好きなだけだからかもしれないし、僕の文学的能力がまだまだ低いからかもしれない。なんとかこの気持ちをこの場で文章にしたいのだけど今は面倒なので考えすぎるのはやめようと思う。来年また読んだとき、また新しい感想がかけるんじゃないかと未来の自分に期待している。

まとめ

・ライトノベルの対極にある存在。リッチノベルとかそんな感じ
・村上ファンには客観的に評価できない
・毎年一度は読み返したい

★★★★☆

森 博嗣の生き方 読書感想「自由をつくる 自在に生きる」

12月 25th, 2009 admin

自由をつくる自在に生きる (集英社新書 520C)
森 博嗣
集英社
売り上げランキング: 445

「すべてがFになる」や「スカイ・クロラ」などで有名なも森 博嗣さんの新書。
友人がmixi日記で「俺(日記の彼)の生き方のことがかいてあるから読んでみろ」とお薦めされていたので即アマゾンした。

概要

自由とはなにか?それは支配から開放された不自由でない状態だろう。という作者の自由に対する考え方と、それに基づいた彼の生き方がまとめられた作品。

目次

1章 人生の目的は自由の獲得である(人生の目的は自由躰による支配 ほか)
2章 他者からの支配、社会からの支配(服装と自由ブログの罠 ほか)
3章 身近に忍び寄る支配(考えること人生における支配とパワー ほか)
4章 支配に対するレジスタンス(自由を得るために職場に問題があるとき ほか)
5章 やっかいなのは自分による支配(老いと好奇心老人には余裕がある ほか)

感想

 まず、この本の帯に「思いどおりの人生の作り方とは?」とあるが、あまり思いどおりの人生の作り方については書いていない。最初から最後までほとんどが森 博嗣の考える自由について語られているだけである。(肝心の自由のつくりかたは残り11ページというところからやっと始まる。)
 なぜ自由についてそこまで語られているかというと著者が人生の目的を「自由」においているからだそうだ。あまりにも「これが自由だ」「これは支配され、不自由だ」と最後まで徹底的に繰り返すので、僕は「森 博嗣は自由に拘りすぎていて、不自由だ」と思ったほどだ。しかし自由に拘るのも自由だし、自由に拘らないのも自由だと森 博嗣は考えているだろう。また、自由であれさえすればいいとも言ってはいない。

 僕も森 博嗣のように自由では無いとはいえ、自由に対して拘りがある方なので共感する部分が多く面白かった。本書に書いてあることの9割には激しく同意するし、反論があるひとがいれば徹底的に否定したくなるほどだ。(1割の同意できない箇所は森 博嗣が結婚式や葬式にはあまり意味がないといっているところ。僕はこういう儀式は一見無駄なようで、とても意味があるものだと思っている)

 本書を読み追えて、本の題名にある自由のつくりかたについてほとんど言及されていない点が大きな不満として残ってしまった。どうも「こう生きろ!」と間違があるとわかっていても断言できないところは理系の悪いところのように思う。しかし前書きにもあるようにこれはヒット小説を何本も書き、論文も1000本以上書いてきたという森 博嗣が「自由についてなるべく丁寧に平易に綴った本」なのだ。自分の信条のようなものをこうもわかりやすく表現するというのはさすがであったと思う。

まとめ

・こんな人が先輩や上司だったらかっこいい
・父親だったらうっとうしい

★★★☆☆