まさか泣ける本だとは・・・ 書評「日本軍の小失敗の研究」
1月 19th, 2008 admin Posted in 書評 | No Comments »
最初にアメリカとの圧倒的な物量と思想の差に愕然とし、日本軍のあきれるような失敗が自分の職場や家庭で起きていることに気が付き悲しくなる。
ありえないような日本軍の行動を笑いたいけど笑えない、だってこれはたった半世紀前の日本人の話だもんね。今の僕らもそんなに変わってない。
以下印象に残った点をいくつか紹介
そもそも戦争を仕掛けたのが失敗
したがって、あまりに広い視野に立ってしまうと、『失敗の本質』は次のひと言で終わる。
つまり、
「日本の失敗の本質は、人口で二倍、生産力では―算出の方法によって異なるが―10ないし50倍というアメリカおよびイギリスに、全面戦争を挑んだこと」
がすべてなのであって、他のいかなる理由も枝葉末節にすぎない。
うむむ、自明なことではあるけど専門家に断言されると辛い。
できた戦闘機を牛で運ぶ
太平洋戦争の最大の鍵は航空機だったそうである。その鍵となる航空機だが大戦中にアメリカは22.5万機を製造しており、それに対して日本はわずか3.3万機しか作れていない。
この差だけでも悲しくなってくるが、さらにゾッとする事実が紹介されている。なんと日本は大戦勃発時に主要な航空機工場に隣接した飛行場がなかったというのである
航空機工場に飛行場が無いということは、内陸部に大型船の造船所を建設するのとまったく同様である。
非常にわかりやすい例えだ
完成した航空機は、試験飛行すらできないのである。
え?そんなめちゃくちゃな
それではどうするかというと、いったん分解し、あるいはバラバラの状態で遠く離れた飛行場まで陸路を運ばれる。
ええーーー!
そして、またまた衝撃的な事実として、その運搬手段の中心となったものは”牛車”であった。
なんの罰ゲームですか・・・
そんなことがありえるんだろうか?と思う。テスト環境なしでコードを書き始めて、ネットがないから印刷してコードを納品してるような感覚。ひどすぎる。
陸軍と海軍の連携の悪さ
本書では何度も陸軍と海軍の仲の悪さによる小失敗がでてきますが、一番ひどいのがドイツからダイムスラー・ベンツ社製のDB600型系エンジンという高性能エンジンのライセンスを購入する話
だろう。
日本がドイツからエンジン製造のライセンスを10万円(現在の貨幣価値で50億円)で購入するのだが、なぜか陸海軍は別々にこのライセンスを購入してしまう。さらに
陸海軍は同じエンジンを別々の会社
陸軍 川崎航空機
海軍 愛知航空機
に製造することを命じたのである。
ええーーーーーーーーーーーーーー!
アメリカがすごい
この本を読んでいると日本の弱さも気になるが、それ以上に近代的なアメリカにとても感心させられる。人命救助の損得に対する考え方や武器全般の標準化に関すること、情報を重要に考える
点など現代のビジネス書に書いてあるようなことが当たり前のように実践されており、例え資源の差がなくても日本は勝てなかったという話がよーく理解できました。
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