明日ジャム作ろうぜ! 読書感想「西の魔女が死んだ」

7月 14th, 2009 admin Posted in 書評 |

西の魔女が死んだ (新潮文庫)
梨木 香歩
新潮社
売り上げランキング: 544
おすすめ度の平均: 4.5

4 健全な死生観
4 自分の足でまっすぐ立って歩く
4 魔女
5 自分で考えて自分で決める
4 愛される喜び

読書が苦手な知合いにプレゼントしようと選びました。
短い話なので数時間あれば読めてしまうが、あなどるなかれ一生ものの愛と知恵のつまった一冊でした。

あらすじ

中学生生活に馴染めない女の子「まい」がイギリス人のお祖母ちゃん(そういえば、お祖母ちゃんの名前は一度もでてこなかった??)と二人きりで暮らすというお話。
短いながらも、実の娘からも魔女と呼ばれるお祖母ちゃんとの愛と知恵に溢れた生活はだんだんとまいを成長させていく。

脳内再生が止まらない

田舎に一人で生活をしている祖母がいる僕にはたまらないお話だった。孫に対する豊かな愛と、自然と上手に(そうとても上手に)付き合うための生活に根ざした深い知恵をもったおばあちゃんというのを僕は知っている。
物語の最初から最後まで僕の頭の中では舞台は岐阜県岐阜市佐野の田舎、そして西の魔女は美濃の魔女である自分の祖母だった。
やさしいおばあちゃんを知っている人、厳しく頑固な母をもつ女性にはそれだけでもうたまらない物語です。

「オールドファッション」な生活

物語は現代の日本なのだが、西の魔女は洗濯機もつかわないず、卵も鶏が産まなければ食べないような半分自給自足の生活をしています。苺が採れればジャムをつくり、ミントが採れればお茶にして、ラベンダーが咲けばシーツに香りを移したりと、ゆっくりをとした時間の流れる豊かな生活は読んでいるだけなのに田舎の空気で呼吸をしているような気持ちになれました。

魔女の愛

人間関係・死・自然との付き合いなど、もうありとあらゆる不安を抱えている主人公を、魔女は「魔女になるための修行」をすることでひとつひとつ救っていきます。どの答えもシンプルでわかりやすく、やさしいものでした。

まとめ

この作品は映画化されており「号泣できる」とかいわれていたのですが、少なくとも小説はそういう話ではないような気がしました。ネタばれとかではなく魔女は小説の1行目でいきなり亡くなってしまうのですが、それに対する悲しさよりも暖かい気持ちになることの方が多かったように思います。
特に最後の魔女からのサプライズは主人公の魂を救ったとも言える大きな大きな愛のプレゼントで、僕は魔女からの明るい前向きなプレゼントに目頭が熱くなりました(やっぱり泣けるわ)

僕は男だけど、この本は特に女性にお薦めしたいなと思いました。小中学生の時に主人公に共感してよし。母親時代に主人公の母親気分を味わってよし、おばあちゃん時代に孫への愛の伝えかたを学んでよしと、人生で少なくとも3度は楽しめる1冊なんじゃないでしょうか。

さて、今週の土日は岐阜に帰ろうかな。
★★★★☆

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