むしろ経営学 - 読書感想「日本の10大新宗教」
12月 17th, 2008 admin Posted in 書評 |
多分僕は多くの日本人と同じように、宗教ってなんなん?宗教って入ったら負けでしょ、俺は無宗教だし。と思ってる。(多くの日本人と同じだよね?違うかな)でも、それらの考えには特に根拠がないし、偏った情報に基づく思い込みの部分が多そうなのでphaさんのところで紹介されていた本書を買って、まずは新宗教について学んでみることにしました。まぁ案の定間違いだらけでしたよ!
新興宗教と新宗教って?
言いかたが違うだけ。ただし新宗教というのは新興宗教ってのが差別的だからということで生まれた言葉なので、新宗教のほうを使うのが適切。基本的には既成宗教でないものは新宗教と呼ばれる。
じゃあ既成宗教と新宗教の違いは?
特に無いらしい。歴史があり社会に定着したものは既成宗教といわれるそうだ。仏教も元々はバラモン教から、キリスト教もユダヤ教から生まれた新宗教だということ。どちらも当時は新宗教だったんですね。まぁ当時って何千年前だって話ですが。
日本人は無宗教?
僕のような家に仏壇はあるけど別に神社も行くしクリスマスもケーキ食べるよ!みたいな人らは無宗教だと思っている人が多いけど宗教学的には違うらしい。日本は昔から「神道と仏教という二つの宗教が組み合わさった特殊な形態」がデフォルトなので、その特殊な形態に所属しているということになるそうだ。ただそれには名前がないから「僕は神道でもないし、仏教でもないから無宗教だな」と思っているだけだとのこと。なんかすっきりした。
10大宗教の特徴
とまあ、こんな感じで宗教に関して無学な僕にはとても勉強になる一冊でした。最後に復習をかねて僕なりに10大新宗教について印象に残った所を復習しておきます。
天理教(てんりきょう)
・奈良県天理市が宗教都市
・神道と仏教の両方の影響がある
・妊婦を助けるおまじないが活動の原点
・戦前は新宗教のなかで最大規模
大本(おおもと)
・新宗教の中で一番評価が高い(特に反権力の人達から)
・庶民以外にも、知識人、軍人にも人気
・金光教から分れて生まれた
・神道がベース
・王仁三郎のカリスマで拡大
生長の家(せいちょうのいえ)
・海外の信者の方が多い(数百万人)
・創立者は大本に入信していた
・神からの啓示をうけ創立
・雑誌ベースの新しい布教活動(雑誌を読めば病気が治るという人もいた)
・昭和天皇を崇拝していたため、天皇が亡くなった後は力が衰える
天照皇大神宮教(てんしようこうたいしんぐうきょう)
・踊りながら社会を批判するという活動をしていた
・創立者の腹に宇宙を支配する神が宿り社会批判を始めたのがキッカケ
・金儲け主義ではない
・いさぎがよい創立者の人柄で好意的にみられていた
・海外にも進出
・現在は中規模の新宗教として活動
璽宇(じう)
・元祖踊る宗教
・双葉山も入信していた
・創立者の死後は勢いがなくなった
霊友会(れいゆうかい)
・精神病などではなく、修行によって神憑りができるようになった
・若者の「自分探し」に目を点け若者の信者を獲得
立正佼成会(りっしょうこうせいかい)
・霊友会から分派
・高度経済成長時代に地方から都市部に来た未組織の労働者を中心に大きくなる
・先祖供養と姓名判断、教祖の霊感、法座が不況の武器
・法座は十人ぐらいで悩みを相談したりする会、独自の宗教用語を駆使するという特徴がある。
創価学会(そうかがっかい)
・積極的な布教活動「折伏(しゃくぶく)」で否定的なイメージをもつ人が多い
・公明党との密接な関わりからも警戒されやすい
・教育者の団体から発展
・他の宗教の儀式などに参加してはいけないなどの排他性が強い
・教育活動などを通じて信仰の継承に力をいれている
世界救世教、神慈秀明会と真光系教団
(せかいきゅうせいきょう、しんじしゅうめいかいとまひかりけいきょうだん)
・どれも「手かざし」で布教活動を行っている
・「手かざし」は出来る人がおおいようで分派が多い
・すぐ分派するが、統合も多い
・真光系の「手かざし」は整体がベース
PL教団(ぴーえるきょうだん)
・宗教系のなかでも高校野球がいちばん強い
・日本一のPL花火は教祖の「自分が死んだら嘆かず花火でもあげてくれ」という遺志によるもの
・教義に「人生は芸術である」というものがある
・病気治しも行うが近代医学をみとめ病院なども所有している
真如苑(しんにょえん)
・若い女性芸能人などの入信で話題に
・信者数で創価学会、立正佼成会に次ぐNo3(90万人)とおもわれる
・信者は信徒カードという磁気カードをもっている
・世直しや、終末の予言などがない過激でない宗教
・1対1のカウンセリングのような「接心(せっしん)」という修行がある
・これが現代的で安定しているが、劇的な発展も見込めない
GLA(じーえるえー総合本部)
・白装束集団の教祖はここの元信者である可能性がたかい
・創立者は兼業で教祖をつとめた
・創立者には古代エジプトや中国など外国の霊が下ることがあった
・オカルトが好きな人達の集まりがもと
・現在は亡くなった人の言葉を伝える江原氏のような活動をおこなっている
まとめ
この本は10大宗教がどうというよりは、宗教はどう生まれて、どう成長し、どう没落していくのかという話が客観的にまとまっている本として素晴らしいと思った。特に、勧誘は行いたいが勧誘を行うと悪いイメージをもたれやすいとか、時代の不満に応えると信者は増えやすいが時代が変わると矛盾だらけになってしまうなど、宗教団体ならではのジレンマを各宗教がいかに乗り越えてきたかという話は非常に面白い。単なる宗教の話だけでなく組織の経営の話としても参考になるなんてなんてお得なんでしょうか。
他にも「新宗教系の高校ってこんなにあるの?甲子園って宗教の戦争みたいなもんじゃん。」とか、「国から理不尽な弾圧されていて、国ひどい!」などと無学な僕には新しい発見だらけの本でした。
この本を読んだ僕は「新宗教ってなんか恐い」「○○教って身ぐるみ剥されるんでしょ?」というような、まったく根拠のないイメージから「あぁ、あの宗教はよく知らないけど、○○系だよね」ぐらいには知ったかできるようになりました。次のステップとして、この本では取り上げられなかったキリスト教系の新宗教について学ぶのと、そもそも既成宗教について知識が無いので、まずはそのあたりについて学んでみようと思います。

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